特集記事 Reviews

#096 ねり歩きガイドの会 会長
一柳 武さん

ねり歩きを楽しみながら、
ねりまの魅力を伝えたい


 区民ガイドと練馬を歩く“ねりまのねり歩き2014秋”の参加者を募集しています。参加者から「こんなに身近に知らないことがいっぱいあった!」と感激する声が多く寄せられ、リピーター続出の人気イベントです。

 一柳さんは、ねり歩きが始まった2009年春から、区民ガイドとして活躍し、今年発足した「ねり歩きガイドの会」では、会長に推薦されました。

「今回のねり歩きは、全部で8コースあります。新しく登場した北町コースは、地元の相撲部屋や富士塚など一風変わった見学場所が含まれ、興味深いコースに仕上がっています。他のコースもこれまでに何度も実施され、磨き抜かれたおすすめのコースばかりですよ。ぜひ練馬の秋を歩きながら、肌で感じてみてください!」

 一柳さんがガイドをするにあたって、気をつけていることをお聞きすると、「簡潔でわかりやすく」「マイクを使わずに、地声が届くこと」があげられました。マイクを使わないのは、住宅街を歩くことが多いから。一柳さんの声は、低音で知的な響きのなかに、とても安心感があります。

 区民ガイドをこれから目指す人に、アドバイスなどいただけますか。

「自分の思い入れのある場所のコースを作るといいですよ。コースへの愛着が深まるほど、ガイドする楽しさが増し、熱く語れるものです。私自身も、元住んでいたところの田柄川緑道をコースに入れたり、大泉牧場コースには思い入れがありますね」

「また、参加者が心地よくいられるような、ちょっとした配慮も大切です。立ち止まって説明するときに、冬なら日向に夏なら日陰に誘導する。話にメリハリをつけてクイズを途中ではさんだり、参加者とのコミュニケーションを図れたらさらに楽しくなります」



一人暮らしだからこそ、街に出る!
ボランティアの原動力にも


 一柳さんは、ねり歩きガイドの他にも、国内外から東京を訪れる旅行者に東京の魅力を紹介する「東京シティガイド」や「目黒区まち歩きボランティアガイド」を務め、まち歩きガイドの資格を有する達人!なんです。

「5年前に妻を亡くし、息子の住む目黒区に転居しました。同居ではなく近所に一人暮らしなので、家でじっとしていると誰とも話さなくなってしまいます。体調管理や気分転換を含め、できるだけ人と関わって毎日を明るく過ごしたい。そんなことからいろんなボランティアをしていますし、一人でもよく歩いています」

 目下のまち歩きは目黒区界隈。途中で必ず立ち寄る場所は、本屋さんとパン屋さん。

「美味しそうなパンは必ず買いますね。個人で営むような本屋さんが好きなんですが、近頃少なくなりました。気になる本を見つけるとつい購入してしまうので、本がすぐに山積み状態に…」

「でも、病院の図書ボランティアもしているので、読んでしまった本はそこに寄付するんです。気に入った本を多くの人に読んでもらえるので、よかったなあと思います」

「先日、世田谷区にある浄真寺の九品仏は9体の仏像の印相(両手でつくる形)が9体すべて異なるという記事を見つけたので、早速現地へ行って確かめてきました」

 これぞガイド魂! こうして知識の引き出しがいくつも増えていくんですね。まち歩きで心とからだが動き出し、明日の活力を生む。これらのパワーの源は、何事も真摯に学ぼうとする一柳さんの誠実さにあるのではと感じました。

(2014年10月7日)

簡潔で分かりやすい説明、
低音の声の魅力で
ガイドする一柳さん


>“ねりまのねり歩き2014秋” 
参加募集は
10月15日 (必着)までです
詳細はこちら


区民ガイドが
ブラッシュアップして
作り上げた8コース!


過去のねり歩きの様子
(写真提供:一柳さん)


過去のねり歩きの様子


過去のねり歩きの様子
(写真提供:一柳さん)


過去のねり歩きの様子
(写真提供:一柳さん)


好奇心旺盛で知識の宝庫!
優しい笑顔で話しやすい一柳さん

プロフィール

一柳 武さん

一柳 武さん

1948年生まれ。ねり歩きガイドの会会長。練馬区在住・在勤で60年以上ですが、定年とほぼ同時に、妻に先立たれ息子の住む目黒区に転居し、現在一人暮らし。大泉学園にあった学芸大附属高校大泉校舎で地理の教員をしていたが、現在は大学講師の傍ら、まち歩き、病院の図書コーナー、高齢者施設でのコーラスなど、さまざまなボランティア活動を行い多忙な日々。お気に入りの場所は大泉学園周辺で、牧野記念庭園や石庭の森、妙福寺など。特に教員時代に教え子たちを連れて見学にいった小泉牧場は、今でもいい思い出に。職場から近い「おだふじのシュークリームが好き」とのこと。

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