特集記事 Reviews

#010ねりコレ会 会長
斉藤勇三さん

ねりコレ商品誕生は、
人とのご縁やひらめきから

 練馬にちなんだ商品、ねりコレ会の会長をつとめる「御菓子司・甘味喫茶 豊月堂」店主の斉藤さん。今年も7月1日から31日まで「ねりコレ」商品の募集があるので、これを機に登場していただきました。

 斉藤さんが散歩の時にキャベツ畑を見てひらめき、創作した「キャベツっ子最中」は、ねりまの名品21に選ばれ、さらにねりコレにも登録されています。他にも大泉で開かれているアニメ・フェスティバルのキャラクターを模した「ねりまっ子まんじゅう」、区内に伝わる七夕の風習にちなんだ「七夕ちがや馬まんじゅう」など、全4品がねりコレに登録されています。

「人とのご縁やひらめきで商品が生まれて、その結果、ねりコレにも選ばれて。運が良かったなと思います」。見かけも楽しく、素材にこだわり味もいい! 子どもたちにも人気で「ねりコレのおまんじゅうをくださーい」と、よく買いに来てくれるそうです。



和菓子を・人を・芸術を!
愛する心

 豊月堂は大泉学園駅北口からほど近いビルの3階にあります。エレベータであがると玉砂利や赤い毛氈が敷かれた和の空間。奥が甘味喫茶のスペースになっていますが、和菓子のショーケースの向側の棚がおもしろい!

 仕切られたラックには、所狭しと作品が並んでまるでミニギャラリーのよう。練馬区の民芸品や、アニメ関係の品々や、アーティスト、詩人などたくさんの方の作品が飾られています。店内にはポスターやチラシやフリーペーパーなども置かれ、地元密着のアンテナショップみたい。

 斉藤さんは「ほら、これいいでしょ!? おもしろいでしょ!」って感じでアーティストに代わって作品をアピールしてくれます(笑)。サービス精神に満ちあふれ、なんと言ってもやわらかい笑顔が心地いい、どんどん人の輪が広がっていくわけです。

 斉藤さんは和菓子の道50年、その腕に加えて好奇心旺盛、ひらめいたらすぐに行動で次々に新作の和菓子を生み出しています。さらに幅広い交友関係のなかで、「こんなものを作ってほしい」と依頼を受けるものも少なくありません。キャラクターをねりきりで作る和菓子にとどまらず、だちょうの卵を使用したどら焼とか、桜の落雁などなど。



自然の中を歩くのが好き、
1日1万歩!


「散歩が好きでね、車でもなく、自転車でもない、歩いて見る、歩く目線を大事にしているんですよ」1日1万歩も歩くというほど大の散歩好きな斉藤さん。

 そんな斉藤さんに練馬区内の好きな場所を聞いてみたところ、すぐに牧野記念庭園の名があげられました。「私がまだ中学生くらいの頃だったかな、家業の手伝いでおもちの配達をしていたんですよ。牧野先生はおもちが大好きな方でね、ご本人や書生さんにお会いしたこともありますよ」。世界的にも有名な植物学者だった牧野富太郎博士は、今年、没後50年になります。

 「あとは石神井公園、三宝寺池なんかいいよね。散歩してる時に、絵を描いている人をよく見かけるでしょ。いい絵を描いてる人がいてね、その油絵を思わず買っちゃったこともあるよ」ちょっとビックリ! でもその軽やかさこそが、斉藤さんなのです。

 「とにかく人とのつながりが大事。人が喜んでくれるのがうれしい」という斉藤さん。そんな気持ちがベースにあるから、労を惜しまず人にやさしくしていられるんだなあと、しみじみ思いました。

(2007年7月2日更新)



七夕のころ、お店に飾られる 「ちがや馬飾り」


ねりきりという和菓子の素材で作られた「阿蘇山」。 大きさにもビックリ。

この鋏などを使って、 ねりきりを器用に形作ります。

鳥、松、池がみごとに表現された ねりきりの「三宝寺池」。 色もきれいで、 まるで芸術作品のよう。

プロフィール

斉藤勇三さん

斉藤勇三さん

御菓子司・甘味喫茶 豊月堂の二代目店主。ねりコレ会の会長や6月から東大泉商栄会会長も務めています。練馬大好き、人が大好き! そして散歩が大好きで時には吉祥寺まで歩いてしまう(!)という斉藤さん。バイタリティ溢れる活動とは裏腹に、お会いするとそのほんわりした人柄に自然に吸い寄せられてしまいます。

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