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練馬をめぐるラーメン旅 画像

赤井恒平 さん グルメ

練馬をめぐるラーメン旅


練馬区は広い。面積を調べてみたら23区で5番目に大きいんです!もともと知る人ぞ知るラーメン激戦区ではありますが、それだけ広大ならばきっと他にも魅力的なお店がある可能性も高いはず、と考えて今回は全域に目を向けて、お店に行ってみました。新進気鋭の新店から人気店、老舗中華料理屋まで。個性豊かなラーメン特集です。

【麺や 碧大将(めんや あおたいしょう)】

【麺や 碧大将(めんや あおたいしょう)】 画像

ラーメンは醤油、塩、豚骨などいろんな味がありますが、みなさんは何味がすきですか?私は味噌ラーメンが一番好きです。


なので味噌ラーメンにはちょっとうるさいのですが、「碧大将ラーメン(850円)」はツボでした。丼の面積の2/3は占める存在感抜群のチャーシューとトッピングでおすすめの味玉(150円)を追加したボリューム満点の一杯です。


なんといっても1番の特徴はその香り!味噌の風味がしっかりと感じられるのです。使っている味噌は北海道の「紅一点(こういってん)」という米味噌をベースにした自家製味噌。それを提供前にていねいに溶くことで香りを引き出しています。スープは豚鶏白湯と鰹節のダブルスープ。味噌の強さに負けないしっかり味ながら、出汁の余韻も楽しめるのです。


ラーメンで重要なのは温度です。もちろんお店でスープがぬるいラーメンなんて出てきませんが、では、具材はどうでしょう?乗っている具材が冷たいとちょっと悲しくなって、スープの下に沈めて温めたくなりませんか?
その点、碧大将さんではもやしやチャーシューを提供前にバーナーで炙って、アツアツな状態でテーブルに運んでくれます。温度以外にも香ばしさがプラスされるところも素晴らしい!


練馬駅至近の味噌ラーメン専門店。ちょい飲みもできるのでぜひ一度立ち寄ってみてください。

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住所:東京都練馬区練馬1-23-4(練馬駅から徒歩3分)


営業時間:火・水・木     11:00 - 14:30   17:00 - 21:30
                    金・土             11:00 - 14:30   17:30 - 22:00
                    日・祝日         11:30 - 15:00   17:00 - 20:00
                    月曜定休


Instagram:@menya_aotaishou
X:@misoramen_aoki

【麺処 次男坊 桜台店】

【麺処 次男坊 桜台店】 画像

このラーメンを一言で表すなら「罪悪感のないラーメン」でしょう。


 看板メニューの「次男坊ラーメン(850円)」はとろみのある鶏白湯スープが特徴。臭み消しの野菜は入れず鶏ガラだけを12時間、水分が半分になるまで煮込んで作るスープはとろみがあってまろやか。手間ひまかけて鶏の旨みをギュッと凝縮させた口当たりの良いラーメンは、大人にはもちろん子どもたちにも人気で、休日は家族連れで来店する人も多いのだそう。


 さらに、自慢のスープを楽しむ仕掛けがもう一つ。それが飯玉(めしだま)です。丸くしたご飯に醤油をつけ香ばしく炙り、海苔、万能ネギ、チャーシューが入ったものに、ラーメンのスープを入れておじやのようにいただけば、あっという間に完食です。スープを飲み干しても罪悪感を感じないので(個人の感想です)、飲み会のシメにもおすすめ!


 そして、店主の人柄を感じるのがカウンターに掛けられたメニュー札。食券機だと見づらかったり、後ろの人に気を遣ったりと焦ったりしてしまうので、席に座ってゆっくり選べるようにという心遣いなのです。これなら初めて来た人も安心だし、お腹と相談しながら追加注文を頼みやすいのも嬉しいですね。


 練馬駅から各駅停車で一駅。途中下車する価値アリのお店です。

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     ▲ラーメンのスープをかけていただく飯玉(250円)

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住所:東京都練馬区桜台1-4-7(桜台駅から徒歩1分)


営業時間:11:30〜15:00  18:00〜22:00(月〜金)
     11:30〜15:00(土•祝)
     日曜定休


X:@js147147

【漢珍亭(かんちんてい)】

【漢珍亭(かんちんてい)】 画像

石神井台の住宅街にポツンとある「漢珍亭」は、まだこのあたりがキャベツ畑だった頃から40年以上続いている老舗です。カウンター5席、4人掛けテーブル席2つのこぢんまりとした店内には、テレビ、瓶ビール、お店オリジナルの食器、スープを煮込んでいる香りと湿度という私が求めている町中華にあってほしい要素が全て揃っています。


 さっそく人気メニューのラーメンチャーハンセット(800円)を注文。ジュッジュッっと米が中華鍋に触れる音を聞きながら待つことしばし。昔ながらのシンプルなチャーハンと一緒に運ばれてきたのは、意外にも濃厚タイプの醤油ラーメン!あっさり醤油ラーメンが来ると思っていたので意表を突かれました。一口いただいてみると、見た目どおり濃厚ながらも複雑な味わい。どうやって作っているんでしょうか?


「煮干しとか豚骨とかいろいろ使ってるよ。作り方次第で澄んだスープにも濃厚なスープにもできるんだ。これ以上は企業秘密!」


と店主の佐藤さん。ちなみにラーメンは単品だと550円。このクオリティでこの価格だからこそ、地域の方に愛され続けてきたのでしょう。次はラーメン以外のメニューも食べてみたい!そう思わせてくれる再訪必至の名店です。

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住所:東京都練馬区石神井台5-3-3(石神井公園駅からバスで12分)


営業時間:11:00〜14:00  17:00〜20:00
        日曜定休

【麺屋寿(めんやことぶき)】

【麺屋寿(めんやことぶき)】 画像

イチオシの「煎酒醤油(いりざけしょうゆ)ラーメン」(950円)は、醤油が登場する以前に使われていた幻の調味料「煎酒」と、九州の醤油を掛け合わせた一見するとシンプルな醤油ラーメン。ところがこの一杯、バランスが完璧なのです。


 テーブルに運ばれてくると同時に、香ばしい醤油とさっぱりとした刻みネギの香りに包まれます。一口いただくと、口の中に広がるのは鶏の旨みと醤油の程よい塩気。そして不思議なことに、舌が味に慣れてくると徐々にコクを感じ始めます。味も香りも単一でなく立体感があるのです。


 チャーシューは味のバランスを壊さないように薄味に、太めの麺はオーダーが入ってからストレート麺を揉み込むことで、食感の違いを出しているのだそう。細かなこだわりと複雑な味の組み立ては店主が和食の料理人だったことも関係あるはず。


「みなさんの新しい定番になれるお店にしたくて」と語ってくれたのは店主の秦さん。お店を構える時、東京に土地勘がなかったので各駅に降りて街の雰囲気を自分の肌で感じました。その中で、程よく都会で、でも人の温かみを感じられた上井草に決めたのだそう。


2024年の4月でオープンから1年。もうすでに週に2、3回きてくれる常連さんもいるのだとか。上井草の名店になりそうなお店です。

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住所:東京都練馬区下石神井4丁目12-10(上井草駅徒歩4分)


営業時間:火〜金       11:00 - 14:00   18:00 - 20:00
                土・日       11:00 - 15:00   17:00 - 20:00
                月曜定休(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌火曜日休)


HP:https://www.menyakotobuki100.com/
X:@menkoto100
Instagram:@kotobuki.100

【神也. kaminari】

【神也.  kaminari】 画像

黄金色に輝くラーメン。キラキラです。眩しすぎます。


東武東上線東武練馬駅にある「神也.  kaminari」さんの特製鶏塩ラーメン(1,350円)です。ていねいに煮込んだ鶏スープと羅臼昆布•釧路昆布を贅沢に使った魚介スープを合わせた美しい一杯は、あっさり系ではあるものの塩味はしっかりしていてチャーシューも鶏と豚の両方が乗っているから食べ応えバッチリ。思わずスープを飲み干してしまう魅惑の一杯です。


 他にも毎月のように登場する期間限定ラーメンも人気。鶏スープをベースに旬の食材を使ってとった出汁を組み合わせています。例えば3月は鯛に脂がのってくる季節なので鯛出汁を使った鯛塩そばや、暑い季節にはスパイスたっぷりのスパイスヌードルが登場したり。その時期だからこそ美味しい一杯を今までに30種類以上作ってきたのだそう。


 「新しいラーメンを試作するときは時間を忘れて没頭しちゃうんですよね。試行錯誤した結果、スープの種類をたくさん作ったり、味に合わせて麺を変えたり。効率はあまり良くないけれど自分が美味しいと思えるものを出したいんです」と店主の神園達也さん。独学でラーメン業界に飛び込んだからこそ、お客さまに「美味しかった」と思ってもらうために、日々努力をされているのですね。

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住所:東京都練馬区北町2丁目19-9 北町マンション 1F(東武練馬駅徒歩5分)


営業時間:11:30 - 14:30
     17:30 - 21:00
     月曜定休


Instagram:@kaminari_noodle_
X:@kaminari1202

【麺屋きころく 氷川台店】

【麺屋きころく 氷川台店】 画像

東京メトロ氷川台駅から、のんびりとした雰囲気の街中を進むこと1分。「つけ麺」ののぼりがはためく「麺屋きころく」さんに到着しました。


 おすすめはもちろんつけ麺(1,000円)。乗っている具材が沈まないほど濃厚なつけ汁はカツオの香りたっぷり。旨みと香りの強い宗田節やサバ節をたっぷり使った魚介系スープと、豚、鶏、野菜を7〜8時間煮込んだ動物系スープを合わせたWスープです。旨みを凝縮させているので、濃厚ながら塩っぽさはそれほど感じずスルスル食べてしまいます。


 合わせるのはほんのり茶色い太麺です。スープに負けないよう全粒粉を使った麺は全てお店の製麺室で手作りしているのだそう。とことんこだわった麺とスープをストレートに味わえる。それがつけ麺の1番の魅力と改めて感じます。


 そんな自慢の麺をたっぷり食べてもらうため大盛(麺300g)でも料金は一緒。味変も楽しめるよう、胡椒・一味唐辛子と、自家製昆布酢も用意されています。途中でスープ割を頼んで、ラーメンのようにいただくのもおすすめです。


 他にも「地元の方が飽きずに通えるように」と出している期間限定のラーメンや定食も美味しそう!もちろんご飯も大盛なので、残さぬように様子を見ながら注文をお願いします!

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住所:東京都練馬区氷川台3-29-10(氷川台駅徒歩1分)


営業時間:火〜金       11:00 - 14:50   17:00 - 21:50
                土・日       11:00 - 14:50
                月曜定休


X:@kikoroku
Instagram:@menyakikorokunerima

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