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創刊から38年続く、練馬・板橋のタウン誌「月刊Kacce(かっせ)」【前編】月刊Kacceの制作現場 画像

ライター:協同クリエイティブ さん コラム

創刊から38年続く、練馬・板橋のタウン誌「月刊Kacce(かっせ)」【前編】月刊Kacceの制作現場


練馬・板橋のタウン誌「月刊Kacce(かっせ)」をご存知ですか?
昭和・平成・令和の時代に渡って38年間、地域情報を発行し続けている冊子です。

毎月1日・3万部を発行し、2022年4月号でなんと通巻459号。
無料配布で、区役所や公共施設、光が丘駅ラック、店舗、医療機関など、350か所に設置され、読者層は10代から80代まで幅広い年代に読まれています。(※Kacce調べ)

「月刊Kacce」の編集室に行ってきた!

「月刊Kacce」の編集室に行ってきた! 画像

編集室のドアの前


「月刊Kacce」編集室があるのは、地下鉄成増駅すぐ近くにあるマンションの一室。


「こんにちは、お邪魔しま〜す」(ねりま観光センターのマスコット・ねりこ)


スタッフの皆さんは、パソコンに向かってお仕事をしていました。

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編集室の様子


「月刊Kacce」を発行しているのは株式会社協同クリエイティブという会社。チラシなどの印刷物やホームページの制作もしているそうです。


女性ばかりの職場で、とっても和やか&アットホームな雰囲気。編集者、デザイナー、Webデザイナーが常駐し、ライターやイラストレーター、配布スタッフ、情報整理などを担当するスタッフと連携して作られているとのこと。


取材に対応してくれたのは、代表取締役社長の田中なおみさんと、月刊Kacce編集長の生田佳子さんのお二人です。


ここからはお二人に語っていただきます!

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ねりこの取材を受ける田中さん(左)と生田さん(右)

「月刊Kacce」って、どんなタウン誌なの?

「月刊Kacce」って、どんなタウン誌なの? 画像

A5版のコンパクトなサイズで、基本は32ページ


「月刊Kacceを通して私たちが目指しているのは“地域活性化”。地域と人を結ぶため、楽しく役に立つ情報を提供するよう心がけています。38年歴史を積み重ねてきたKacceは、今では会社の大切なブランドになりました」(田中)


 


 

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記事の一例


「記事のほかにも読者のコメント、地域のイベント情報、プレゼント、クイズなど多彩なコンテンツが詰まっています! 読者からは次のようなコメントが多く寄せられるので、やりがいを感じています」(生田)


・ネットで探せないようなイベント情報まで、まとまって載っているので便利。お出かけの参考にしている。


・読むと「知らなかった」「へー、そうなんだ」と地元の魅力を知ることができる。


・引っ越してきたばかりなので、医院やお店などの生活情報が役に立つ。


「読者に無料で配布できるのは広告主のおかげなんです。創刊当初から掲載していただいている広告主もいらっしゃるんですよ。広告も街と人をつなぐ情報源、積極的にご利用いただけたらと思います」(田中)

読者の声が反映された誌面

読者の声が反映された誌面 画像

ハガキとWebフォームを合わせて毎月およそ250〜500通の読者の声が届きます


「数あるコンテンツの中でも、不動の人気を誇るのが読者の投稿コーナー『小耳に軽書ン(こみゅにけいしょん)』です。『様々な年代の人たちの考えや日常の様子がわかるので面白い』という感想をよくいただきます。やっぱり、人のぬくもりを感じる“生の声”に勝るものはないですね」(生田)


「読者からの投稿は、『小耳に軽書ン』の他にも、地域のクチコミ情報やアンケートの回答などに活かされているので、まさに“Kacceの宝”です」(田中)

月刊Kacceはどうやって作っているの?

月刊Kacceはどうやって作っているの? 画像

「月刊Kacce」の1か月の制作サイクル


「1か月のサイクルは、大まかに上記の図のように進んでいきます。校了するとすぐに、次号の準備に取り掛かる…という感じなので、1か月があっという間です」(田中)

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編集会議の様子


「記事の内容は編集会議で決めています。スタッフやライターが集めたネタや、読者から寄せられた地域情報の中で、自分たちが『面白い!もっと知りたい!』と心を動かされ、読者に伝えたいと思うかどうか。それが選ぶ基準ですね」(生田)

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取材の様子


「取材では、地域のさまざまな職業や魅力ある方たちに出会えるので、仕事ながらとても楽しいです!」(生田)

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校正のお手伝いをするねりこ


「校正は何人もの目で初校、再校、三校…と繰り返し、修正を入れていきます。大切にしているのは客観的な視点で、読者に伝わりやすい表現を心がけています。文章は正解のない世界。良いものを作りたいという思いから、『こっちの表現がいい』と議論することもしばしばあります」(田中)


「校了前は、とにかく時間との戦い。毎月プレッシャーで押し潰されそうになりながら走っている感じです。でも、チーム一丸となってゼロから作り出す楽しさは、一度経験したらやめられません(笑)」(生田)

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月刊Kacceを設置店に届けている様子


「完成した月刊Kacceが印刷所から届くのは、発行日の前日(休日を除く)です。配布スタッフ・社内スタッフ全員で手分けをして、広告主や設置店へ届けたり、発送の梱包作業をしたり…。この日は体力勝負です」(生田)


「38年間、雨の日も炎天下でも配布してきました。発行が遅れたことは1度もありませんが、唯一、コロナ禍では2020年5・6月合併号として1か月休刊しました。その間、読者からたくさんの心配や励ましの声が寄せられ、地域に必要な存在なんだと改めて実感しました」(田中)


——「月刊Kacce」はスタッフだけでなく、読者や広告主など地域の皆さんで作っていることがわかりました。街で見かけたら手にとって、1人でも多くの方に読んでほしいですね。【後編】では、月刊Kacceの歴史や地域とのつながりをご紹介します。


「次回も楽しみにゃ〜」(ねりこ)

■株式会社協同クリエイティブ(月刊Kacce編集室)


住所:板橋区成増2-10-3 三栄ドメール202 
電話:03-3975-7143
ホームページ:http://www.kacce.co.jp/
スタッフブログ:http://kacce.co.jp/blog/
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取材協力:ねりま観光センター&ねりこ