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東京2020オリンピックで注目のマニアック競技3選。練馬で本格的に楽しめるって知ってた!? 画像

ライター:松田 亜希子 さん コラム 体験・観光

東京2020オリンピックで注目のマニアック競技3選。練馬で本格的に楽しめるって知ってた!?


1年遅れで間もなく開幕予定となっている東京2020オリンピック。さまざまな競技の中でも、練馬のみなさんにぜひ注目いただきたいのが、ちょっとマニアックなトランポリン、フェンシング、ボルダリングです。 実は練馬区には、オリンピック日本代表選手を輩出している、トランポリンとフェンシングのクラブがあるのです。 そしてボルダリングは、今大会で新競技に採用されたスポーツクライミングの1種目。数年前からブームを呼んでいるこのスポーツができる練馬区唯一のジムが平和台にあります。 今回はそれぞれどんな競技なのかをご紹介。ルールや見どころがわかると観戦がぐっと面白くなるはずです。そして面白いと思ったら、自分でも始めてみませんか。地元の施設があなたの挑戦を待っています!

地上約8メートルまで跳躍! 空中で華麗なアクロバティック演技をする【トランポリン】

地上約8メートルまで跳躍! 空中で華麗なアクロバティック演技をする【トランポリン】 画像

2000年シドニー大会からオリンピック競技となったトランポリン。ベッドと呼ばれる弾力性の強いシートの反発力を使って高く跳びあがり、空中にいる約2秒間に宙返りなどのアクロバティックな演技を行います。これを10回繰り返し、10種類の異なる技を連続で披露。つまり1人の演技時間はわずか20秒間ほど。演技の出来栄え、回転とひねりの数、空中に浮いている時間、着地場所の総合点で順位が決まります。

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トップレベルの選手がどれほど高くジャンプするかご存じですか。答えは、なんと地上約8メートル。ビルでいえば3階に達するほどの高さです。それだけ高く跳びながら、トランポリンの中心部に描かれた赤い十字マーク付近に着地しなければいけないというのだから、いかに難易度の高い競技かわかるでしょう。

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連続して行われるジャンプや宙返りはとにかくダイナミック。空中では体を抱えたりひねったりと難しい演技を行いながら、足の先まで伸ばした美しい姿勢が求められます。でも空中で少しでもバランスを崩すと、着地場所がずれて減点になってしまいます。常に真っすぐ上空に高く跳び、安定した演技を続けられるかどうかが見どころです。

都内随一のトランポリン専門コースがある【大泉スワロー体育クラブ】

都内随一のトランポリン専門コースがある【大泉スワロー体育クラブ】 画像

大泉学園にある「大泉スワロー体育クラブ」は、1961年に設立された日本初の民間スポーツクラブ。現在は水泳、体操、トランポリンなどのコースがあり、未就学児から大人まで約2,000人が在籍しています。


トランポリンは、設立間もないころに「子どもたちの体力づくりに必ず役立つ」との想いから導入されました。当時は日本にまだ3台しかなかったといいます。以来、設備や専門指導員が充実している数少ないクラブとして知られ、世界選手権やオリンピックで活躍するほどのトランポリン選手を多数育ててきました。

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写真:左から伊藤正樹選手、専門指導員の岡嶋正治さん、棟朝銀河(むねともぎんが)選手


2012年ロンドン大会4位、2016年リオデジャネイロ大会6位入賞の伊藤正樹選手は3歳から、2016年リオデジャネイロ大会4位入賞の棟朝銀河選手は小学2年生からトランポリンを始めた「大泉スワロー体育クラブ」OBです。


二人を指導した岡嶋正治さんは、トランポリンの魅力について「日常ではなかなか味わえない浮遊感が最高です。空中に高く跳びはねるのって単純に楽しいですよね。子どもも大人もみなさん笑顔になりますよ」と話してくれました。

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空中でバランスを保つ必要があるため、バランス感覚が養われるトランポリン。体幹や脚力もしっかり鍛えられます。「大泉スワロー体育クラブ」は初心者大歓迎。経験豊富な専門指導員が、安全安心を第一に質の高い指導をしています。まずは体験レッスン(2,200円)をどうぞ。

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【大泉スワロー体育クラブ】
https://www.ostc.jp/
住所:練馬区東大泉4-31-6
電話:03-3925-6006
*トランポリンは全8コース。各コースの内容・スケジュールはHPを参照ください
*入会金・コース料金はクラブにお問い合わせください


 

一瞬のすきを突くスピーディな剣さばき、攻防の駆け引きが魅力の【フェンシング】

一瞬のすきを突くスピーディな剣さばき、攻防の駆け引きが魅力の【フェンシング】 画像

フェンシングの起源は、中世ヨーロッパの騎士たちが用いた剣術です。銃器の発達により戦場での実用性はなくなっていきましたが、18世紀半ばに金網のマスクが開発されて安全性が向上したのをきっかけに、スポーツとして盛んに行われるようになりました。オリンピックでは1896年の第1回アテネ大会から正式競技に採用されています。

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競技が行われるのは、ピストと呼ばれる細長いパネルの上。2人の選手が向かい合い、片手に持った剣で激しい攻防を繰り広げます。種目は「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3つ。それぞれ攻撃技や攻撃してよい体の場所(有効面)などが異なります。

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【フルーレ】攻撃は「突き」のみ。有効面は背中を含めた胴体。先に腕を伸ばし、相手に剣先を向けた選手に「攻撃権」が与えられる。相手が剣先を払うなどして、逆に剣先を向けてきたら「攻撃権」が移る。

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【エペ】攻撃は「突き」のみ。有効面は全身。「攻撃権」がなく、相手を突けば得点が入るので、次々に技を繰り出し、スピーディな攻撃を行う。頭から足の裏まで、すべてを攻撃できるのが面白い。

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【サーブル】攻撃は「突き」と「斬り」。有効面は手を除く上半身。「突き」に「斬り」の技が加わる分、競技はよりダイナミックなものに。一瞬で勝負が決まる力強い剣さばきに注目しよう。


3種目とも、いかに瞬時に相手の動きを読み先手を打つかが勝敗のカギ。スピーディな剣のやりとりはもちろん、攻防の駆け引きもフェンシングの醍醐味です。

業界のトップ指導者がそろう日本初の専用施設【NEXUSフェンシングクラブ】

業界のトップ指導者がそろう日本初の専用施設【NEXUSフェンシングクラブ】 画像

2019年春、中村橋にオープンした「NEXUS(ネクサス)フェンシングクラブ」は、フェンシングの普及を目的とした日本初の専用施設です。練習場には国際試合で使われるのと同じ規格のピストが備えられています。指導に当たるのは、元日本代表コーチや元日本代表選手などそうそうたる面々。初心者には競技の楽しさを、経験者には世界レベルの技術を伝えています。

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写真:現役のエペ日本代表・見延和靖選手がクラブ会員にエペを特別指導


クラブ所属の見延和靖選手(男子エペ)、青木千佳選手(女子サーブル)、敷根崇裕(しきねたかひろ)選手(男子フルーレ)、永野雄大選手(男子フルーレ)が、東京2020オリンピックのフェンシング日本代表に選出されました。代表選手全21名のうち4名と、他の所属先に比べ最多の出場人数を誇ります。

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元フルーレ日本代表コーチでクラブ支配人・シニアコーチの和田武真さんによると「子ども・大人問わず初心者には剣の持ち方から丁寧に教えます。フェンシングは老若男女が年齢性別を超えて剣を交えることができるスポーツ。うちのクラブでは、現役オリンピック選手と子どもが対戦することもありますよ」。


フェンシングを本格的に習える場はなかなかありません。まずは無料の初心者体験に申し込んでみませんか。

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【NEXUSフェンシングクラブ】
https://nexus-fencingclub.com/
住所:練馬区向山1-14-2
電話:03-5848-2131
営業時間:平日、土曜13:00~21:00/日曜10:00~19:00
定休日:火曜
*キッズ・小学生・中学生&高校生向けの3教室と小学生~大人向けの一般コースがある
*料金システムなど詳細はHPを参照ください

壁を登る身体能力だけでなく、コース攻略の知力も問われる【ボルダリング】

壁を登る身体能力だけでなく、コース攻略の知力も問われる【ボルダリング】 画像

自然の岩場に似せて造られた人工の壁を、命綱を使わず体ひとつで登り、ゴール=完登(かんとう)を目指すボルダリング。東京2020オリンピックから正式競技となったスポーツクライミングの1種目として注目を集めています。


スポーツクライミングは、登る速さを競う「スピード」、登った壁の数を競う「ボルダリング」、登る高さを競う「リード」という3種目の複合競技。全選手が3種目とも行い、その総合点数で順位が決まります。選手は種目によって得手不得手があるため、メダルの行方はなかなか予想できません。

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ボルダリングの決勝戦では、高さ4メートルの4つの壁に数や位置が異なるホールド(突起物)を取り付けた高難度のコースが設定されます。選手はこれに順番にトライし、いくつ完登できるかを競います。制限時間は各コース4分。途中で落下しても、時間内なら何度でも再チャレンジ可能。最上部のトップホールドを両手でつかんだら完登です。

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壁の制覇には高い身体能力が必要ですが、それと同じくらい考える力が欠かせません。選手は登る前に2分間の下見時間が与えられ、スタートからゴールまでどのようなルートで移動し、どうホールドをつかんでいくかをイメージします。登り始めてからも、次のホールドをつかむために必要な動きや体勢を考え続けなければなりません。コース攻略のための知力も問われるというわけです。

登りきった達成感は格別! 気軽にボルダリングができる【クエール・クライミングジム】

登りきった達成感は格別! 気軽にボルダリングができる【クエール・クライミングジム】 画像

平和台の「クエール・クライミングジム」は、2014年にオープンした練馬区唯一のボルダリングジム。色とりどりのホールドが付いた壁には、さまざまな難易度のコースが設定されており、初心者から上級者まで誰もがクライミングを楽しめます。

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壁を登るには体を大きく伸ばしたり小さく縮めたりと、手足をホールドに届かせるために全身を使います。日常生活ではなかなか使わない筋肉まで動かすため、全身をバランスよく鍛えられます。


「最初はなかなか登れない人が多いですが、挑戦するうちに必ず上達します。登りきったときの達成感は格別ですよ。初心者にはルールや上達のコツをお教えします」とスタッフの永野文大さん。そこで登り方のポイントを3つ伺いました。

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【POINT1】腕を伸ばし、腰を落としてぶら下がると疲れにくい。登るときもできるだけ腕を伸ばしてホールドをつかむ。

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【POINT2】足のつま先でホールドに乗るのが基本。体の向きを変えやすくなり、多様な動きが可能になる。

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【POINT3】はしごを登るときのように、右手でつかみにくいときは右足を踏む、左手でつかみにくいときは左足を踏むと、対角線でバランスが取れて登りやすくなる。


ボルダリングは特別なウエアに着替える必要がなく、体ひとつで気軽に始められるスポーツです。予約不要、ビジター利用可能で専用シューズもレンタルできる「クエール・クライミングジム」へ行ってみませんか。一度体験したら、「もっと上まで登りたい!」とやみつきになるかもしれませんよ。

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【クエール・クライミングジム】
http://quail-climbing.com/
住所:練馬区早宮2-26-19
電話:03-6869-8998
営業時間:13:00〜23:00(中学生以下の利用は~19:00)
定休日:なし
*小学生以上が利用可能(小学生は保護者同伴)
*利用料金など詳細はHPを参照ください

フリー編集者&ライター 松田亜希子(Akiko Matsuda)